2016年9月9日金曜日

同性愛とは,ある人が在るがままに在るということだ

フランスでは,公の場で聖書の homophobic な一節を引用すると,有罪となる.

フランスの保守派政治家,もと下院議員,Sarkozy 政権下で「住居と都市」問題担当大臣を務めたことのある Christine Boutin[クリスティーヌ・ブタン]は,2014年4月,或る季刊雑誌のインタヴューで,「同性愛者を断罪したことは一度もない」[ je n’ai jamais condamné un homosexuel ] とことわりつつも,旧約聖書レビ記の「男が女と寝るように男と寝るのは,忌まわしいことだ」にならって,「同性愛は忌まわしいことだ」[ l’homosexualité est une abomination ] と述べた.

この発言のゆえに彼女は,2015年12月,「性的指向を理由に憎悪をあおった」罪で,5000ユーロ(約60万円)の罰金を科せられた.

今月7日,控訴審の法廷には,彼女自身は姿を見せず,弁護士のみが出廷した.

三つの LGBT 団体で構成された原告側の弁護士のひとりは,法廷でこう述べた:「同性愛は忌まわしいことだという言葉を元共和国大臣の口から聞くのは,ショッキングなことです.なぜなら,同性愛とは行動でも選択でもありません.同性愛は,ある人が在るがままに在るということです.[被告の発言は]想像を絶する暴力です.そのような発言は,同性愛を嫌悪し,断罪せねばならないという確信を人々の心のなかに強めることになります」.

原告側のもうひとりの弁護士は,こう述べた:「キリスト教徒は自身の同性愛を自由に生きることができます.同性愛者は,自身の信仰を自由に生きることができます.それはまったく忌まわしいことではありません」.

控訴審判決は11月2日に下される.